空気公団 「例え」
アルバム「こども」より、「例え」の紹介。2017年発売のリマスタリング版にも収録されてます。
例え
空気公団 - 例え
空気公団の演奏はどれもそうだけど、これも一つ一つの音を丁寧過ぎるくらいに、丁寧に鳴らしている。
山崎ゆかりさんがボーカリストとしているのだけど、山崎さんも含めて、演奏者全員がその場の空気感を作るために音を鳴らしていて、そこには「私を見てほしい」という思いは全く感じない。
「演奏者よりも、曲が主役であるべき」というスタンスを空気公団は保ち続けているけれど、それを肌で感じられるような演奏。
誰の為、と言うよりも音楽が一番素晴らしい形でそこにあるための演奏。
People In The Boxの波多野さんも同じ様なことを言っていた。「聴きに来てくれる人に一番誠実であることは、その人たちの為では無くて、音楽の為に音を鳴らすことだ」と。
雨のビル光ってる
夜は鏡のようですね
車は走るひたすらに
とても大きな絵の中を
(例え)
水彩画の様な歌詞。一言ずつ、絵筆を走らせるような。
そう言えば、絵を描く人も伝えたいことなんて言葉にするようなことじゃなかったりする。自分の思った「可愛い」「カッコいい」「綺麗」「美しい」などなど、そういうのを描いているだけだ。それでいいし、なにか強いメッセージなんてない方が受け取りやすかったりする。
山崎さんの歌詞も、その中にある綺麗な物や美しいものを、絵筆を走らせるように言葉にしているのかな、と思う。
綺麗な言葉は、それだけで価値があると思う。
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