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あさから。

本の感想、音楽の話、思ったことなど。

心に空いた穴が優しさなのだと思う。

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 このブログのタイトルは「あさから(朝から)」で、朝のような、午前中の様な、なるべく明るいことを書いていこうという感じで付けました。が、今回は若干暗めと言うか、たまにはそう言う記事があっても良いだろうと思いました。

 そう言う訳で、心の穴についての話。

目次

  心の穴

 きっと誰にでも

  誰でも一度くらいは自分の「心に空いた穴」のことを考えたことがあるんじゃないかと思う。それは、自分だけの物なのだろうか。普通の事なのか、大したことじゃないのか。元気そうな彼・彼女にも同じ様な穴があるのだろうか。そう言う事を考えたことがあるんじゃないだろうか。もし、そうでない人がいたら、凄く健康的で強い心身を持っているのだろうから、羨ましいと思う。

 母の言葉

 昔、母が「私は生まれた時から寂しい」と言っていた。誰かが居なくて寂しいとか、一人で寂しいのではなくて、常に寂しいのだと。その時は「大丈夫だろうか」と思ったけれど、案外それが普通なのかもしれない。以前、「女は寂しさを、男は虚無感を感じる」と言うのを何処かで見たのだけど、結局どちらも心の穴な気がする。

 理由

 こんな話を何故書いているのかと言うと、話す相手が思いつかなかったから。意外と自分の周りは元気そうな人が多い。そう言う元気そうな人でも、昔は色々大変な事があったり、話してみると人それぞれ色々ある。ただ、多分自分がそうであるように、「心の穴」について考える時は一人の時が多いんじゃないだろうか。きっとグーグル検索するはず。そういう人の目に留まってくれたら嬉しい。

 雫とキキ

 漠然とは知っていた。「心の穴」は放っておくと現れる。そういう時、「行動力が上がる」人と、「沢山人と関わりたくなる」人に分かれると思う。自分は前者だった。

 ジブリ鈴木敏夫さんが、「人には2種類ある。目標を持ってそれに向かう人と、目の前のことから道を開いていく人」と言っていた。「耳をすませば」の雫が前者で、「魔女の宅急便」のキキが後者だと。雫は「小説家になろう」としている一方で、キキは自分の持っている魔女の血を使って、何かをしようとする。

 目標を持つと、その間だけ「心の穴」から逃げられた様な気持ちになる。だけど、鈴木さんの話を聞いて目標を持つのを少しやめてみた。そうすると、どうなったか。再び、心の穴はすぐそこに現れた。

 やさしさ

 「心の穴」で検索したら、素晴らしい記事を見つけた。

ameblo.jp

実際に居る方のあなたの姿は、もっと格好が悪くて

大した事の無い姿をしています。
あなたの心の中のポッカリと空いた穴の正体こそ
正真正銘の本当の、あなたの姿なのです。

 それを、見ないように、感じないようにするから余計に大きく感じる。だけど、それも自分自身なのだとしたら。

  何を諦めたのだろう。

 昔から、中学生か、高校生位の頃からずっと、心の何処かで「消えたい」と思っていた。「嫌な事があって、死にたい」のとは違う。人と会うと楽しい、楽器を弾いたり歌うと楽しい、本を読むと楽しい。だけど、消えてしまいたくなる。

 だから、王城夕紀先生の「マレ・サカチのたったひとつの贈物」を読んだ時、凄くしっくりきた。そう言うものなのかもしれない、と思った。

「この世はすべて、二つのものでできている」

ーここでないなら、どこへでも。

ーいつも衝動に駆られている。ここじゃないどこかに行きたい、って。

ー私は、貴方が現れてくれて嬉しかったが。

ー君に、ここに、いて欲しい。

 彼女の瞳は、これまで見たすべてのものを見つめていた。

「跳び去る衝動と、留め合う力で」

(王城夕紀 - マレ・サカチのたったひとつの贈物)

   そう言うものなんだ。人は。何故か、そういう風に出来ている。「ここに居たい」と同時に、「何処かへ消えてしまいたい」と思う。その狭間で生きている。だけど、じゃあそれは何なのだろう。どうして、消えたいと思うのだろう。

マレ・サカチのたったひとつの贈物

マレ・サカチのたったひとつの贈物

 
  不安、ありがとう。

 RAG FAIRというアカペラグループ土屋礼央さんという方が、昔オールナイトニッポンのパーソナリティをやっていた。自分は中学生だったと思う。その最終回だったか、何処かで「不安ありがとう」と言う曲を歌っていた。調べてみたら、TTREと言う名義で音源化されている模様。若干歌詞が違うけれど、サビの所は同じだった。

不安がいつもより笑いかける

ありがとう

あなたのおかげで一息つけます

 元々は、受験生の応援ソングだったらしい。不安を遠ざけようとするよりも、一緒にいてくれてありがとうと言ってしまう。逆転の発想だ。

 そこで思った。「心の穴」もそう言うものじゃないだろうか。そのおかげで出来たこと、出会えた人、感じたこと、色んな事があるはずだ。いつまでたっても消えて無くならないのは、いつまでもそれが必要だから。心の穴が無かったら、誰かの優しさを感じられなかったかもしれない。優しさが分からなかったら、人に優しくすることも出来ないだろう。

 遠ざけようとするより、埋めてしまおうとするより、消してしまおうとするより、「一緒にいてくれてありがとう」と思う方が楽だ。どういう理由であれ、随分と長い間そこにいた。特に愛着は無かったけれど、持とうと思えば持てるのかもしれない。

 心に空いているその穴が、自分の優しさを作ってきたのだと思う。きっと。現れたり見えなくなったりするけれど、消えて無くなる事はない。それなら、ありがとうと言ってみる。自分に一番近い所にいたのかもしれない。

 

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