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あさから。

本の感想、音楽の話、思ったことなど。

空気公団 CINRAの最新インタビューが必読でした。

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 空気公団の3枚組アンソロジーアルバムのリリースに伴って、CINRAでインタビューが公開されました。結成から、現在までのことを振り返っていてすごく面白い。知っていたことも、知らなかったことも。興味ある人はぜひ読んでほしい記事でした。

 

 空気公団

  ベスト盤とパンク

  今年で結成から20年になる空気公団。初期の作品をリマスタリングした、3枚組のアンソロジーCDをリリース。それについての話は、また時間がある時に書きたい。

www.cinra.net

  こちらの、CINRAのインタビューで山崎さんとCoa Recordsの藤枝さんが話しているのだけど、空気公団の謎というか、「どうして出来て、今に至るのか」みたいなことがざっくり書かれている。

 クラムボンのミトさんが、「ゆかりちゃんはパンクだ」と言っているように、空気公団の音楽性に反して、山崎さんの精神というかスタイルはロックであり、パンクなのだけど、この写真からはそれがばっちり伝わってくる。「もう隠さないのか」という感じ。髪型といい、ポケットに手入れてるのといい。ロックスター感ある。

 「音楽が先にあるべき」という考え方は、特に初期のころはずっと語っていて、自分たちの姿を見せずにライブをしたりしていたらしいのだけど、最近の作品(こんにちは、はじまり以降)では、もうそれにひと段落つけて、「自分たちを出したとしても空気公団の世界は変わらないだろう」と、今までより一層堂々と音楽をしているように思う。

 最新作の「ダブル」では今までの作品から一歩突き抜けて、新しい空気公団になった感じがした。このブログ(というか、昔のブログ)で「ダブル」の感想も書いているので、興味があったら読んでみてください。

asakara.hatenablog.com

 「ライブは不毛です」から

 藤枝:「ライブは不毛だと思います」って言ってたもんね(笑)。当時の山崎さんは「これはやりたくないです」っていうことがあまりにもありすぎて、正直ちょっと怖かったもん(笑)。結局出会ってから1回もライブをやらないままメジャーデビューして、レコーディングも自分たちでリハスタでやっていたから、演奏している姿すら見たことなくて。本当にバンドなのかどうかもよくわかんなかった。ジャケットにも人は写ってないし、アーティスト写真も「風景のなかに人がいればいいです」みたいな感じで撮ってたもんね。

(CINRAインタビューより)

  今でこそ沢山、海外でもライブをするようになった空気公団だけど、当初ライブをしないバンドだった。CDを聴いているとよくわかる。ライブをすることで作ることのできる空間と、空気公団が結びつかなかったのだと思う。

 


空気公団×ビデオSALON Linear PCM Recorder ZOOM H4n & Olympus LS-7

 

 アルバム「春愁秋思」より「まとめを読まないままにして」のMV(のようなもの)。

 空気公団って何だろう?と聴かれた時に、このMVを見てもらうのが一番わかりやすいと思う。風景があって、風景の中に人がいて、その中に空気公団もいて、音が流れる。

 それは、「ステージの上で圧倒的な存在感を示して、観客を熱狂させる」という類のものとは、恐らく対極にある。だけど、逆に言うと20年間それを貫いてこれるということ自体が、そういうロック・パンク音楽の精神と同じくらいにロックでパンクだと思う。

 

 これから

山崎:あるときを越えたあたりから、自分たちが前に出ても、目を閉じて聴いてる人が多くなって。それって自分のなかの空気公団を持ってくれてる人が増えたってことだと思うんですよ。

ステージもボーカルが真ん中にいるっていうものじゃないから、見た目の印象と家で聴いてきた感じも、きっとそんなに変わらないですし。そういうふうに、自分が「私」として歌っても、人が前に出た音楽にはならないと思えるようになってからは、ライブに対して消極的ではなくなったんですよね。

(CINRAインタビューより)

  「次の20年でどうなるのだろう?」と思えるバンドやミュージシャンは中々いない。一つの音楽活動が20年続くことが奇跡のようなものだし、そこから20年続いても、大きく変化は無いことが殆どだろう。

 空気公団は珍しく、「次の20年でどうなるのだろう?」と思える音楽、バンドだ。これまでの20年を見て、変わっていないのだけど、大きく変わっている。その変わり方も、「限界までやり切った」という感じではなく、「次はどこへ向かうのだろう?」と思える変わり方だ。

 上へ上へ、と進むバンドがいて、それはそれで素晴らしいと思う。ただ、人間である以上、「上へ向かう」ことには限界がある。肉体的にも、発想や勢いでも。ONE OK ROCKが「35歳までに何ができるか」と言っているのは、自分でそこを過ぎたら、自己ベストを更新するのが難しいと思っているからだと思う。

 その点、空気公団の音楽は最初からずっと「空気公団そのもの」で、初期アルバムを聴いても変わっていない。変わっていないのだけど、そのままでアルバム毎に色んな風景を描いている。珍しいバンドだと思う。「上へ向かう」ことではなく、「自分たちであること」に対してロックだった。それを守る姿勢がパンクだった。

山崎:どんな街に仕上がるのか、すごく楽しみですね。

 「ダブル」までで、「空気公団の街づくり」は一区切りついたのかな?と思っていたけれど、これから先どういう展開をしていくのかがすごく楽しみだ。

 20年目にして、これから先が一層楽しみになる音楽って奇跡的だと思う。何かになることより、自分自身であることを守り続けた方が、長期的に見れば良いことなんだ、きっと。

 前も書いた気がするのだけど、空気公団を聴いて思うのは「自分は自分だ」ということ。「あなたはわたしで わたしはあなた」なんて歌詞もあるけれど。

 

 他にも空気公団のことを書いています。

 

 それでは。

 

Anthology vol.0

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