あさから。

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ブルージャイアントシュプリーム1巻感想。 たった一人でも。

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 今更ですが、ブルージャイアントの新シリーズ「ブルージャイアントシュプリーム」第1巻の感想です。2巻も出てるので、近い内に書きたい。1巻、2巻ネタバレありです。未読の方は注意。

目次

 

シュプリーム

 ブルージャイアント10巻の感想を書いてから、なかなか新編のことを書く気になれなかった。と言うのも、最初に読んだ時「また、いつもの感じに戻ったかな」と思ってしまったから。無印のブルージャイアントの、特に5巻~10巻辺りは毎巻展開が目まぐるしかった。それに比べると、ゆったりとした展開に戻ってきたので、「とりあえず、まだ書かなくて良いかな」と先延ばしにしていた。

 その後、シュプリームの2巻を読んで、少し気付いたことがあって「よし、そろそろ書こう!」となった。凄く丁寧に描いてるから、後の巻を読んで、前の巻のことに色々気付いたりする。相変わらず、凄い漫画だと思う。表紙は、第1巻と対比させてるのかな、と思った。

日本とドイツ

 10巻の最後でドイツに旅立った大。日本に居た時も仙台から東京に行く、と言う旅立ちはしているけど、東京に行っても言葉は通じるし、見た目も同じ。それに、玉田がずっと一緒だった。それに比べると、ドイツと言うのは本当にたった一人。友達も家族も観客も、誰も居ない。あるのは自分の身体とサックスだけ。

思ってた以上に、孤独だべ。

いたな、お前が。

  とにかく、吹ける場所を探そうと色んな店に声をかけるけれど、「若いアジア人」という理由で断られ続ける。日本では、河原で声を掛けてくれたマスターや、師匠、雪祈、大が探しに行かなくても色んな出会いがあった。それが、演奏を聴いてもらうことすらできない。たった一人のドイツ。

実のところ、ボクはアジアのジャズを知らないんだ。

すまないが、君はここでプレイできない。

たった一人でも

 そんな中、河の近くで練習していた大の演奏を聴いて、おばあさんが手袋をくれる。

いるんだ。助けてくれる人が、どの国にもいるんだ。

  そんな事を思って入ったカフェで、クリスと言う男子大学生に出会う。

「僕らはドイツに、世界一のプレーヤーになりに」

  単純明快な自己紹介をしたところで、何故だかクリスに気に入られて彼の家に泊まることに。それだけじゃなく、大のライブの出演交渉まで熱心にしてくれるクリス。どうして自分に優しくしてくれるのか、助けてくれるのか不思議に思い、訊ねる。

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 「普通のこと」とクリスは言う。だけど、どうしてそれを普通だって思う様になったのかは、2巻で描かれてる。ちなみに、2巻で一番好きなシーンです。

 その後のライブから、タクシーのシーンまでずっと熱いけれど、一番好きなのはライブ後の会話。

ただ一人、ヨーロッパでたった一人だけど

でも本当に、信じてくれてるんだ、俺が活躍すると。

  たった一人でドイツに来た大だったけど、たった一人、クリスに出会っただけで大きく変わった。自分を信じてくれる人が、たった一人でもいることがどれだけ心強いのか。シュプリームを読んで一番感じたのはそこだった。

 2巻では、バンドメンバーを探し始める。一人だけでも、一緒に演奏する仲間がいればどれだけ心強いのか。一人で演奏して、初めて気が付く。

 「たった一人でもやってやる」「たった一人でも信じてくれる人がいる」「たった一人でも仲間が居れば」シュプリームを読んで感じたのは、一人と二人の間には大きな、凄く大きな差があると言うこと。自分も最近、「応援してくれる人が、たった一人でもいるって言うのは凄く心強い事だな」って思った。そして、それは「自分一人でもやってやる」って言う気持ちがあってこそなのだと思う。

おわりに

 そんな感じのブルージャイアントシュプリーム、相変わらず面白いです。10巻があの展開だっただけに、尚更気持ちの良い始まり方。2巻の感想も近い内に。

 そう言えば、知り合いの弟さんのバンドがサッポロシティジャズと言う、札幌でやってるジャズのイベントの大会で優勝したらしい。他は殆どプロの中で、中高生のバンドが優勝するという快挙。J-Newbie’sと言うバンド。Youtubeで調べても出てこなかったけど、優勝バンドは海外フェスに出演出来るとか。自分も頑張ろうと思った。

 それでは!

 

 ブルージャイアント10巻感想も書いてます。ネタバレ(超)注意。

asakara.hatenablog.com

ブルージャイアントシュプリーム2巻分の感想。

asakara.hatenablog.com