あさから。

本の感想、音楽の話、思ったことなど。

People In The Box「かみさま」MV公開

 People In The Boxの新曲のMVが公開。この前の札幌公演でも最後に歌ってた曲。1月24日発売のアルバム「Kodomo Rengou」より「かみさま」。やさしくて良い曲。曲の話とか、歌詞の話とか、MVのこととか思ったことをざっくり書いてみました。

 

かみさま


People In The Box「かみさま」Music Video

 People In The Boxの最新アルバム「Kodomo Rengou」より、「かみさま」。ここ1年位のライブでは新曲を積極的に演奏していて、ツイッターとかでライブの感想を見てると、前からこの曲もやってたみたい。12月17日に行ったライブでも、最期に歌ってた。ただ、本当に辛そうだったので、この曲だけは「良い曲だな」よりも「もう歌うのやめて」って言う方が強くなってしまってたから、ちゃんと聴けて嬉しい。

 ちなみに、People In The Boxを良く知らない方がもし居たら、紹介の記事も前に書いたので、興味があれば見てみてください。

asakara.hatenablog.com

曲について

 「かみさま」は最初聴いた時に「妙にスッキリしてる」と思った。ボーカル波多野さんの声が真っ直ぐ、優しくなっていて、それを引き立たせる様に他の音が一歩後ろに引いているというか。途中で入るピアノの音も、何音か弾いてフェードアウトしていたり、曲としては凄く引き算されてて、スッキリしてると思う。

 イントロから重たい感じのリフで始まって、間奏とかアウトロでもそれを挟んでたり、サビの所も音自体は結構激しめだけど、曲全体通して聴いたイメージは優しくて静かな感じ。多分、曲中の静かな所が印象に残ったんだと思う。何回か聴いていて、2番のBメロで、何音かだけ弾いて居なくなるピアノの音があるけど、その何音かだけで曲の風景がガラっと変わってるなと思ったり。

 あと、3番?「君は特に優れているとか~」の辺り、エレキのコードと歌だけの所。そこのギターの音が凄く好き。ずっと聴いていられそう。

 曲の構成は「翻訳機」から続く「リードトラックは真っ直ぐな曲にする」が守られてるみたいで、分かりやすいPeopleっぽさは薄い。自分は元々Peopleの中でもそういう曲の方が好きだったのもあるけど、色んな人に聴かれる事を考えるとそれで良いと思う。

 インタビューで福井さんだったかな?が「昔は自分達の武器を隠さなかったけど、最近は隠せるようになった」みたいな事を言っていて、多分、それがアルバム「Wall,Window」の「翻訳機」以降、「逆光」「木洩れ日、果物、機関車」「かみさま」と、比較的真っ直ぐな曲をリードトラックに持ってきてることなのかな?と思う。「旧市街」とかだとね。波多野さんが「朝食に毒を」って言った辺りで回れ右して帰る人ばっかりになりそうだから。その尖り方でも良いんだけど、最近のPeopleはその一歩先の尖り方をしてるなと言う感じがする。

 

歌詞

かみさまはいつだって優しい嘘をつく

君は特に優れているとか

君は報われるだとか

 People In The Box - かみさま

 音が良かったのもあるけど、曲中で一番記憶に残ったのがこの部分。3番メロ。何でだろう。そして、どうしてこんなに優しい歌だと思ったんだろう。

 聴きながら思った事を書いてみる。

 「かみさま」という曲だけど、いわゆるキリストとか仏陀とか、そう言う神様の事を言ってる訳じゃないと思う。それでも良いんだけど、そういう壮大なテーマの曲じゃない気がした。MVの雰囲気からも。

 じゃあ、かみさまは何だろう。あなたに、優しい嘘を吐く人。そう考えると、「かみさま=あなたのことを大切に思ってくれている人」かな、と思った。どうでも良い人に対しては優しい嘘なんて言わずに、そのまま思った事を言うだろうけど、相手が大切な人だったら、嘘でも優しい言葉をかけたいと思ってしまう。

 そうすると、どうしてこの曲を優しく感じたのかが分かってきた。

いってらっしゃい 見てらっしゃい

かみさまだけが嘘をつく

People In The Box - かみさま

 かみさまだけが嘘をつく。だから、世界は優しい。おはよう、いってらっしゃい。

 「翻訳機」を聴いた時も思ったのだけど、波多野さんは「マイナスの言葉で優しさを表現する」って言うのが、本当に上手だなあと改めて思った。優しい言葉で優しさを表現するよりも、ずっと心の奥まで響いてくる。

www.youtube.com

どこにだって友達はいるよ

誰も僕らを知らないけど

People In The Box - 翻訳機

 「誰も僕らを知らない」ことが、寂しいのに、とても希望にあふれた響きに聞こえる。「かみさまだけが嘘をつく」って言うフレーズもそう。かみさまだから、嘘をついてくれる。優しそうに見えないのに、優しい歌詞。

 

MVについて

 MVは波多野さんがスマホで撮影した映像を編集したものらしく、すごい手作り感。聴いてて確かに秋っぽいなあと感じる。

 曲が終わった後出てくるカットがすごく良い。ユーモアと本気感が同居してる感じ。ピープルっぽいなあと思った。

 あと、多分このMV以外にもう1曲MV作ってるのでは?と予想、というか期待。

アルバム

 そんな名曲「かみさま」収録のアルバム「Kodomo Rengou」が1月24日リリース。どうやら、タワーレコードだとアナザージャケットが貰えるらしいので、タワレコで予約してこようと思います。

 なんか、前評判が凄く良いので凄い出来なのではと期待してる。あと、「音楽と人」のインタビューを読んでて、波多野さんが「音楽は共有出来ないから良い」みたいな事を言っていて、ふと「青の数学」という好きな小説を思い出した。

 数学は皆一人で問いに向かっているけれど、一人一人違う数学世界を持っている。そして、別の誰かが同じ問いに向かっていると知ることが、勇気にもなる。そんな話が出てきたのを思い出した。同じ音楽を聴いても感じることは皆違う。だけど、同じ音楽を何処かで聴いてる人がいる。

 アルバム出たら、なるべく早い内に感想を書こうと思ってる。鉄は熱いうちに打てと言うことで。楽しみ。