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空気公団の話をしよう(2)1stアルバム「くうきこうだん」の話。

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  空気公団のアルバムリリースまで、不定期で空気公団の話をしていくシリーズ。第2回は1stアルバムの話など。

 くうきこうだん

空気感

 1999年にリリースされた1stアルバム「くうきこうだん」。第一期は4人で始まった空気公団。山崎さんと戸川さんは現在も残っていて、小山さん、石井さんが抜けて、窪田さんが加入して、今は3人。 

 なんとなくのイメージだけど、窪田さんが加わってからの「メロディ」~「ダブル」までのアルバムは、それ以前の4枚と比べて1枚1枚の変化が大きくなってる気がする。

 逆に、初期のアルバムはイメージが安定しているというか、1stアルバム「くうきこうだん」で感じた空気感を、ずっと広げていってる感じがする。

 1stは15曲収録。アルバムの曲数としては結構多い。曲の流れを聴いてると、コンセプチュアルなアルバム、というよりは「これが空気公団です!」っていう自己紹介みたいな感じ。タイトルも「くうきこうだん」。

自己紹介

 それ以降のアルバム(特に春愁秋思以降)は、1枚1枚、物語を綴っているみたいな曲の流れで、「作品」っていう感じがするのだけど、1stに関しては「今の空気公団を全部詰め込みました」っていう感じがして、新鮮で良い。 ドラムを戸川さんが叩いていたり、今以上に手作り感があるのもなんか良い。

 話が逸れるけれど、空気公団の数少ないDVDの1枚「LIVE春愁秋思DVD」は、いわゆるライブDVD的な編集がされていなくて、その場その場の演奏を、なるべく自然に収めている感じだけど、それがとても素晴らしい。決して派手ではないのだけど、個人的に今まで見たライブDVDの中でも、一番好きな一枚。

 

レモンを買おう

 

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 空気公団の代表曲と言えば、「レモンを買おう」「旅をしませんか」「青い花」の3曲かな?と思うけど、その内の1曲「レモンを買おう」は1stアルバム収録。

何の意味もなく生きているようで

いつでも何かを忘れてはいなかった

空気公団 - レモンを買おう)

 透き通った優し気な音楽だけど、その中にどこか諦めや寂しさが混じっていて、そのバランスが美しいなと思う。特に、初期の頃は今よりも静かで落ち着いた感じ。

 2011年の震災がどの位関係しているのか分からないけど、なんとなく、あれ以来空気公団の音も、山崎さんも力強くなっていってる気がする。だから、音楽の雰囲気は少しずつ変わっているけど、根っこの部分は変わらないし、今も昔もライブの音数が多い訳じゃないから、1stの曲を今ライブでやっても、全然違和感がない。

 「街を作るようにアルバムを作ってきた」って語っている通り、一つ一つのアルバムが何処かの風景の様で、だからこそ、ずっと繋がっている感じがする。途切れた感じがしない。

 

 他の曲とか

 1曲目の「たまに笑ってみたり」は、山崎さんと戸川さんが出会ったときに、戸川さんが「こんな曲を作ってる」って聴かせた曲だとか。だから、作曲が戸川由幸・山崎ゆかりと、連名になってる。

 個人的なお気に入りは「窓辺」という曲で、後にベストアルバムに別アレンジ版が収録されたけれど、1stの休日の朝みたいな窓辺もとても良い。イントロのドラムを聴いてるだけで、空間を感じられる。

 15曲目「さかさま」は、ちょっとメロディが不思議な曲で、たまに歌ってみようとすると「あれ、どんなメロディだったっけ」ってなる。

 それ以降のアルバムも全部空気公団なんだけど、パッと空気公団を思い浮かべた時に、頭に出てくるのは1stアルバムで、それくらい空気公団の自己紹介になってるアルバムだと思う。だからこそ、最新作の「僕の心に街ができて」はそれを更新してくれるんじゃないかなあという期待が大きい。

 

 そんな感じの1stアルバム。

 次回は多分、2ndアルバムの話を。

 

 それでは。

 

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