空気公団 一番好きなバンドの話。
空気公団
1997年に結成された、ポップス・ロックバンド。当初は女3、男1の4人体制だったものの、途中でメンバーの交代があり、2005年から現在の女1男2の3人体制になった。
メンバーは
山崎ゆかり(ボーカル、ほぼ全曲を作詞・作曲)
戸川由幸(ベース、ギター、たまに作曲担当)
窪田渡(シンセ、キーボード、ミックス・録音関係など、たまに作曲担当)
山崎さんと戸川さんはオリジナルメンバーで、窪田さんは後から加入。
結成当初から、山崎さんの持ってるイメージを中心にして「演奏家よりも、曲が大切にされるべき」と言うスタンスで、例えばある時はライブで演奏者が見えない様な演出をしていた。
空気公団×ビデオSALON Linear PCM Recorder ZOOM H4n & Olympus LS-7
空気公団を紹介する時に、最初にどの曲を聴いてもらったらいいのか迷う所だけど、個人的には上のMVを見てほしい。空気公団の持ってる良い所が、一番しっくりくる形で表現されていると思う。
環境音だったり、ノイズだったり、本来「邪魔なもの」として普通カットされるような音でさえも、「そこにある空気感を表現する為」ということで、積極的に使っていく。
淡い水彩画のような、春の公園の木漏れ日のような、休日の昼下がりのような、ゆったりとしていて何処か懐かしくて、聴いていると少しずつ安心させてくれるバンド。
今と昔の空気公団
レモンを買おう
空気公団 - レモンを買おう
1stアルバム「くうきこうだん」から、「レモンを買おう」。映像自体は最近の物なのだけど、1stアルバムで歌っていた曲を今やっても全然色褪せない。
変わっていない訳では無くて、アルバムを一つ出すたびに、その世界が少しずつ大きくなっていく感じ。垂直方向では無くて、水平方向に進化し続けきたバンドだと思う。例えば、ONE OK ROCKみたいなアルバムを出すたびに音楽性もクオリティも、垂直方向へ進化し続ける様なバンドだったら、ライブで1stの曲を中心にやるというのは難しいと思う。
ボーカルの山崎さんも、「街を作る感覚でアルバムを作ってきた」と言っている。
1stでは公園が出来て、2ndでは川と橋が出来て、3rdで人が沢山増えて、みたいな。そして、どうやら最近その「空気公団まちづくり」は終わって、次の段階へ入った模様。だからなのか、最新作の「ダブル」では今までにない位に音楽性がガラっと変わっている。
以下、幾つかMVの紹介。
はじまり
空気公団 "はじまり" (Official Music Video)
ひとつ前のアルバム「こんにちは、はじまり。」より。CD音源ではもっと歪んだギターが入っていて、印象が違う。
お山参詣登山囃子
空気公団 "お山参詣登山囃子" (Official Music Video)
こちらも、「こんにちは、はじまり。」より「お山参詣登山囃子」。空気公団ファンの度肝を抜いた一曲。元々、山崎さんの故郷、青森の民謡だったらしく、「音源化されていないなら、空気公団がやろう」と言うことでやることになったらしい。
何が凄いって、どんな曲をやっても全部空気公団にしてしまうこと。他にもカバー曲はあるのだけど、当たり前の様に空気公団の曲にしてしまう。
僕にとって君は
空気公団 "僕にとって君は" (Official Music Video Full Ver.)
最新アルバム「ダブル」より、「僕にとって君は」。それまでの空気公団の持っていた「さりげない日常」みたいなテーマを踏襲しつつ、スケールアップした感じがする。「ダブル」では、この曲以外の曲も挑戦的な曲が多い。
山崎ゆかりと詩の世界
雲の中で光が走り
心の奥で誰かが泣いた
涙は伝って傘を滴り
ほら足下がこんなになった
(例え)
おはようのあいさつにあわせて
僕らのきょうが始まっていく
通りに新しい風が待っている
おはよう今日の日
(おはよう今日の日)
すぐに朝が過ぎる
それからでも遅くはない
いつだっていいんだ
なにもいらない
僕には何にもないよ
だからどこへでも行けるのさ
(旅をしませんか)
遠くの街
山崎さんの歌詞には、「遠くの街」と言う言葉がよく出てくる。きっと、「今いる場所」から「遠くの街」までの距離感が良い空気を出しているのだと思う。「遠くの街」と言う一言で、その街までの風景が描かれる。
遠くの街が光に包まれた夜
知らない人が気になって雨宿りするんだ
夏の雨は二人を射してまだ見えない色を出すのさ
にわかに訪れた次の季節のように
(田中さん、愛善通りを行く)
おわりに
今はやめてしまったけれど、ベースの戸川さんがやっていたtwitterで、「ゆかりさんが聴かせてくれた新曲が良すぎて、絶賛してたら二人に引かれた」みたいなことを呟いていた。20年近く経っても、未だにそんな事を思える事も、思ってもらえる事も幸せだなあ、と思う。
多分、僕もずっと追いかけて行くと思う。戸川さんみたいな気持ちでずっといたい。そういられるうちは、このブログも書き続けよう。歌詞の引用で締め、と言うことで。
今日はこれきりの美しさを
君に伝えなければ
(これきりのいま)
www.youtube.com こちらは、青森県の大鰐町という町のPR動画。そのテーマソングを空気公団が書き下ろしたとのこと。
Performers
山崎ゆかり Vocal,Piano,Synthesizer
千ヶ崎学 Bass
五味俊也 Drums
Mixed&Mastred by 中村文俊
という事で、一人体制になってから多分始めて公開された空気公団の曲?だけど、山崎さんがピアノ、シンセを担当してる。今までボーカルに専念してたけど、ピアノの感じも流石、というか当たり前かもしれないけど、すごく空気公団感ある。
初期の頃の少し寂し気な感じも、第二期で窪田さんの弾いてたオシャレな感じのピアノも良いけど、山崎版のピアノも良い。弾き語れるように、なのか、音数少なめで歌を引き立てるようなアレンジ。
4月のアルバムも期待。