空気公団の話をしよう(5) 3rdアルバム「こども」の話。
アルバムリリースまで、空気公団の20年を振り返るシリーズ。5回目は3rdアルバム「こども」の話。そういえば、今日空気公団のメルマガ「はる」から久しぶりのメールが届いてました。その話は最後にちらっと書きます。
こども
空気公団の3rdアルバム。個人的に、空気公団のアルバムの中で一番白いイメージ。1曲目が「白のフワフワ」って言うのもあるかもしれないけど、アルバム全体が白っぽい印象。あと、1stを除くとアルバムは全部10曲入りだけど、これだけ11曲。
「こども」というタイトルだけど、通して聴いた感じで子供っぽい感じ、というのはそんなにない気がする。空気公団の音楽は、特に初期の頃は大人も子供も関係ない感じがして、「君」も「僕」も、大人でも子供でも良いような。最近のアルバムでは、結構大人っぽい曲も多いけど。
そんな感じの3rdアルバム。何曲か紹介。
季節の風達
この曲には喫茶店とコーヒーが出てくるけど、空気公団の音楽は本当に喫茶店とコーヒーが似合うなと思う。「コーヒー屋のお姉さん」とか、「苦い珈琲の言い訳」って言う曲もあるけど、どの曲も、外を歩いてコーヒーを飲みながら聴きたくなる。何か不思議。
僕らはいつの日にか
何もかもなくしてしまう
雲の隙間に鮮やかな空を見つけた
季節が大きく風達を誘い込んだら
懐かしい日々に迷うだろう
(空気公団 - 季節の風達)
歌詞の中身は、大人になった僕が昔のことを想い出すような感じ。空気公団の曲は優しくて暖かいのだけど、何処か寂しさが残っていて、そこが美しいなと思う。
例え
これはライブ映像だけど、本当すごいなと思う。CDの音源も良いけど、ライブ版で迫力が何倍も増してる。音の重なり方、歌も含めて全員が音楽のために一つになってる感じ、すごいな。
オータコージさんがドラムを叩いてて、山口ともさんが効果音的に打楽器を演奏。すごい自由に見えるけど、全部の音が曲のイメージを立ち上がらせるために存在していて、ふわっとしてるけど無駄がない感じ。すごい(語彙力の不足)。
旅をしませんか
これは最近のバージョン。旅をしませんかだけ、Youtubeで聴ける音源の数が多い。色んなアレンジ版があるし。
空風街LIVEの音源だと、「旅をするなら今なんだ 旅をするなら今なんだ 行こう 行こう 行こう」って言うコーラスが乗っていて、すごく好き。聴きながら遠くまで歩いて行きたくなる。
「僕には何にもないよ」「だからどこへでも行けるのさ」っていう、少し寂しさを残した暖かいフレーズが良い。何にもないことは変わってないけど、だから、何処へでも行こう、っていう暖かさ。空気公団の音楽がやさしいのは、きっと、寂しさとか暗さとかをそのままにして、そのままでどこかへ行こうとしているからだと思う。それを消す必要も、忘れる必要も無くて、そのままでも大丈夫だよ、って言う。
そんな感じの3rdアルバムこども。ラスト2曲が、他の曲で無い位にはっきりとメッセージを伝えていて、確かにそれは「こども」のイメージかも、と思う。こどもたちが聴いても、しっかりと届くくらいに真っ直ぐ書いたのかな、と。
忘れないでね
あなたに教えた心
そのことやあの日が
いつか
守ってくれることを(空気公団 - こども)
おかえりただいま
君の帰る場所はここに
あるよ
だから
寂しい日には
戻っておいで(空気公団 - おかえりただいま)
なんとなく、空気公団の音楽はずっと、あなたが何処にいてもそばにいるよ、って言ってくれてる気がする。
僕が空気公団を一番好きだと思うのは多分そこで、何処へ行ったとしても、ここなら戻って来られるな、って言う安心感がある。他にもいい音楽は山ほどあって、でも、帰ってきたいと思える音楽は中々無い。それを21年続けてるって、すごいなと思う。
そういえば、冒頭でメルマガの話をしたけど、13日の16時から色々情報解禁とのこと。あと、イラスト、かわいい。
「個人的には、なんかファーストアルバムっぽい感じがすると思っています。全然、20年やってるんだけど。」(戸川さん)
それを聴いて、ちょっと期待が高まった。1st「くうきこうだん」が空気公団の自己紹介みたいなアルバムだったのを、21年目で塗り替えるんじゃないかなあと、何となく思ってたので。
これが新しい1stアルバムみたいな感じで聴けたらいいな。
それでは!次回は「あざやか」の話を。
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