あさから。

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【Liveレポ】People In The Box 「Kodomo Rengou」release tour(2018-06-21 札幌COLONY)

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 前回のツアー「ZERO」から約半年。アルバム「Kodomo Rengou」のリリースツアーに行って来ました。感想。ネタバレ注意。

開演まで

 去年の12月から半年ぶりの札幌ライブ。今回の会場も、前回と同じCOLONY。すすきのの南西の奥の方。早めに家出て暇だったので、少しラフィラ(すすきのにあるショッピングモール)5階の楽器屋で時間を潰してから会場へ。毎年、忘年会やる時の集合場所になってる。コケロミンが気になったけど、思った以上の値段だったのでスルー。

 ピープルのライブ、最初に観たのは2014年の12月、cube gardenという箱だった。その時はアルバム「Wall,Window」のリリースツアーで、そこから3年半。Wall,Windowはほぼリアルタイムだったけど、ピープルを聴き始めたのがその辺りからだったので、しっかり聴き込んで臨むリリースツアーは今回が初めて。ライブとしては、結構札幌来てくれてるので、47都道府県ツアー、Things discoverdツアー、前回のZERO、と間に3本挟んで、今回が5回目。もう、知らない曲はほぼ無いぜ、という感じ。

 今回のライブ観るにあたって、「前回のことを何か話すだろうか?」ということと、「どんなテンションのライブになるんだろう?」って言う2つが気になってた。

 以下、感想です。

 

開演

 そんな感じで開演。ここから先はネタバレ注意でお願いします。

セットリスト

 順番違いとかあるかもしれないけど、覚えてる限りで。

1.報いの一日

2.無限会社

3.デヴィルズ&モンキーズ

4.町A

5.ニムロッド

6.旧市街

7.泥棒

8.眼球都市

9.動物になりたい

10.土曜日/待合室(ピアノ)

11.あのひとのいうことには(ピアノ)

12.セラミックユース(ピアノ)

13.世界陸上(ピアノ)

MC(物販)

14.夜戦

15.逆光

16.木洩れ陽、果物、機関車

17.かみさま

18.ぼくは正気(ピアノ)

EC

19.翻訳機

20.聖者たち

 

 

感想

1.報いの一日

 1曲目は報いの一日だろう、って思ってたらやっぱりこの曲からスタート。ギターの音、ライブで聴くとあの変わった音の感じがそんなにしなかった印象。ライブはいつも通り、and I'm singingに乗せて静かにスタート。

 

2.無限会社

 2曲目、無限会社。「え、このままアルバムの曲順で行くの?」と思ったけど、3曲目は違った。この辺りで、ドラムのスネアの音がめちゃ冴えてることに気づく。ものすごく気持ちいいスコーンって音がずっと鳴ってた。

 

3.デヴィルズ&モンキーズ

4.町A

 デヴィルズ&モンキーズ、前回も聴いたけど、良い曲だなあと思った。前回、まったく予備知識無い状態で聴いて、不思議な曲だけど好きな感じだって思って、その感じも大切にしたいなって思った。音楽に限らずだけど、一番最初に見たり聴いたりした時に「何だこれ不思議な感じ」って思って、暫くして慣れてくると普通に良く思えてくる。だけど、最初に感じた「不思議さ」の方にこそ、魅力が隠れてるんじゃないかって思ってる。町Aは福井さんのコーラスが良かった。

 多分、この後辺りに挨拶してたような?気がするけど、前回のことは抜きにしてやる感じ。それで良いと思った。

 

5.ニムロッド

6.旧市街

 旧市街、ライブで聴くのと音源で聴くのと、聴き方全然変わる曲だなと改めて思った。ライブだと、完全にノらせに来てる。5曲目がニムロッドなのもあるけど、この曲、リズムがほんと気持ち良い。音源で聴くと耳の9割位が歌詞と語りに持っていかれるけど、ライブだとリズムの良さの方が前に出てる。  

 

7.泥棒

8.眼球都市

9.動物になりたい

 7,8,9はアルバムから。7,8辺りはピープルワールド全開過ぎて、初めて聴いたら目が点になる気がする。自分はなった。泥棒はライブで初披露された時に、「何だこれ?」ってなって、アルバムで聴いて「やっぱり何だこれ?」ってなって、今でもちょっと思ってる。

 眼球都市も、泥棒とは別ベクトルの「何だこれ?」感がある。無機質さ。どういう思考をしたらこの歌詞が出てくるのか。

 動物になりたいはDVDにも収録されてるけど、美しいなあと思う。前々回のライブでやってたと思う。綺麗で優しい曲。「胸の痛みはそのままに」って言うフレーズが好き。

 

10.土曜日/待合室(ピアノ)

 ここからピアノパート。土曜日のピアノ版は前にも聴いたけど、今回キーボードの音色変えていて(弾き方も違うかも?)、幻想的な感じだった。Ghost Appleの中だと、土曜日が一番よく演奏してる気がする。

 

11.あのひとのいうことには(ピアノ)

 波多野さんの歌声が、一番響いてたのがこの曲だった気がする。他のパートが抑え気味なのも大きいけど、すごい歌に力こもってた。

 

12.セラミックユース(ピアノ)

 Talky Organsよりセラミックユース。「パイロット、標的へと高度を落とせ」の所、凄い鬼気迫る感じで歌っててドキッとした。全体的に、今回歌が強めだった印象。peopleというか、波多野さんはさらっと歌い上げてるイメージだったけど、強い歌だなあと思った。

 

13.世界陸上(ピアノ)

 演奏してて楽しそうな曲だと思った。大変そうだけど。ライブでハイハイ言うの気持ち良いのではないだろうか。

 

MC(物販)

箇条書きで。

・棒の作業、300本以上ダイゴマンがやってるけど、1本だけ波多野さんが削ったらしい(明らかに削り方が下手なのが波多野作)

・ダイゴ、Tシャツのカラー「ナチュラル」にこだわる。

・福井「純白すらも好き」

・波多野「パクジュンは?」他全員「???」

 

14.夜戦

 夜戦は最初に聴いたのが去年の5月のライブで、「すごい曲が来た」って思った。それからDVDとかCDで聴いて、People In The Boxの最新版みたいな曲だと思ってる。

 ギターのイントロから暫く淡々と物語の冒頭を描くように進んで、サビで一気に解放される。サビのリズムも、途中で音数の減る所が気持ち良い。そこから不穏なギターソロを挟んだ後の語り。

 何となく、ギターソロは「きみ」が部屋を飛び出して行ったあと、真っ黒い画面のテレビが急にノイズでガチャガチャするイメージ。そこから、「昨夜未明~」のニュースに切り替わるような。勝手なイメージだけど。

 語りの後Cメロ挟んで、暗い部屋の中のイメージがマックスまで来たところで、サビでまた夜空に触れる。曲の構成が先に出来たんじゃないかと思うけど、そこに言葉をガッチリはめて、物語、イメージとしての構成もリンクさせてる所がヤバいぞという。

 そんな夜戦はやっぱりドラムが気持ち良い。「もう間に合わない~」の後の所。

 

15.逆光

 「鈍感で神経質な~」の所、ライトが波多野さんだけになって、サビでまた全体明るくなるって言う構成なんだと思うけど、タイミングが少しずれてて、勿体ないなーと思った。良い曲なだけに。

 

16.木洩れ陽、果物、機関車

 今回のライブのベストかも。音源で聴いてても好きな曲だったし、ライブでも聴いてたけど、今回凄い良かった。音のバランスが気持ち良い。何が良かったんだろう。目を閉じて聴いてても、音像がはっきりしてて、木洩れ日の風景が見えそうだった。

 

17.かみさま

 前回、歌えなかったかみさま。夜戦からの流れは、もうノンストップでなだれ込む感じで良かった。やっぱり、3番?の歌とギターだけになる所が好きだ。

 

18.ぼくは正気(ピアノ)

 最後、ピアノで演奏。少しアウトロを長めにしたアレンジ。キーボードの音色、多分レコーディングの時も同じの使ったのかな。トレモロの効いた少し不安定な音。この曲は、深い森の曲だと思う事にしてる。

 

EC

19.翻訳機

20.聖者たち

 ちょっと、ここからは別口で。思う事があるので長めに書いていきます。アンコール前に波多野さんが「前回、僕が後半ほとんど声が出なくなるって言う伝説のライブをやって」って言う話をしていて、そこから「作品はずっと何十年後まで残るけど、今この瞬間が大切」って言う話に繋がっていったのだけど、その話をした時に覚悟みたいなものを感じた。

asakara.hatenablog.com

 前回のライブに関しては、記事を書いてたので気になる方は読んで頂けると、話が分かりやすいかと思う。

 このライブの後、ツイッターで声が出なかったことを謝っていて、相当辛かったんだなあと感じた。普通、バンドのライブで多少出来が悪かったとしても、観客へは「良いライブだった」って言うもの。自分たちでは反省したとしても、それは外には出さない。だけど、言わずにはいられないくらいのライブだったと思う。見ていても辛かった。後半。最後のかみさまが特に。

 実は、ライブが始まって3人が入場してきた時に、波多野さんが「前回ゴメンね、早く戻ってきたかった」みたいなことを言うのかな?と少しだけ思ってた。けど、最後までその話はしないで終わったから、プロとしての意識を感じた。前回来ていない人も、来てた人も、今回のライブでは同じスタートラインで聴いてほしい、みたいな。

 それが、アンコールに入ってからその話をし始めて、「やっぱり言わずにはいられないよな」と思った。あの瞬間の波多野さんは、「その話をすることで、前回来ていない人を少し置いてけぼりにするかもしれない」っていう覚悟の上で話始めたのだと思う。アンコールだから、って言うのもあると思うけど。音楽に対して、絶対に言い訳をしたくないだろうし。

 「今が大切」って言うのも、前回のライブどうだったか、或いは次のライブがどうなるか分からないけど、それはさておき、その瞬間に出来る最高のパフォーマンスをするしかない、って言う事だと思う。前回来てた人は、間違いなく特別な思い入れを持って今回来てたと思うし、自分もそうだったけど、波多野さん、ピープルの側が「それに応える」って言うのは姿勢として違う。ただ最高の演奏をすれば、それで充分答えを返せたことになる。って言うことも分かった上で、言わずにはいられなかったんだろうと思う。

 聖者たちの演奏が終わった後、福井さんとダイゴマンの2人がはけた後も、波多野さんだけずっと頭を下げていた。あと、ライブの中で手を合わせてることが多くて、前回来てた人、来てなかった人、どちらに対しても感謝と申し訳ない気持ちと、また歌える喜びと、色んな気持ちが溢れてたんじゃないかな。

 だからなのか、は分からないけど。今回の翻訳機はすごく良かった。ライブで聴くの5回目だけど、一番良かったかもしれない。何が良かったかって聞かれると困るけど。「木洩れ陽、果物、機関車」と「翻訳機」が今回のライブの個人的ベストアクトだった。

 聖者たちも多分最初に見た時から毎回やってて、同じく5回目だと思うけど、こっちは安定して毎回良いなと思う。

 

 そんな感じのKodomo Rengouツアー。良いライブだった。多分、今年はもう札幌来ないと思うけど、来年以降、来たらまた行こうと思う。まだ、聴けてない曲があるし。とりあえず、夏は子供連合Tシャツと深い森Tシャツを着て出歩きます。棒は、何に使えば良いんだ…。何か使い道を見つけたら報告します。あと、いつもの通り、思い出したことがあれば随時書き足してく予定です。

 

 それでは!