中村佳穂「AINOU」の感想。
久々に更新。先日リリースされたアルバム、中村佳穂「AINOU」の感想です。レビューではなくて感想なので、関係ない話がバンバン出てきます。
中村佳穂
中村佳穂さん(以下敬称略)の紹介は長くなるのでしません。ググって。
自分が知ったのは、このライブ映像をPeople In The Boxの波多野裕文さんが紹介してて、最初に観た時から一目惚れ、人耳惚れ、です。
1曲目の「忘れっぽい天使」って言う曲が今回のアルバムでも一番好きで、ピアノを弾く身としては伴奏がいちいち気持ち良い。フィル(簡単に言うと、タン、タン、タララ、タン、のタララの所)の入れ方が、何この気持ち良い所にピンポイントで当ててくる感じってなる。
まあ、どうでも良いんだ、そんなことは。いやどうでもってそりゃ言い過ぎかも、いや言い過ぎだけど(良い曲ですよね「話がしたいよ」)
脱線したので元に戻します。
ライブ映像だと、「忘れっぽい天使」「そのいのち」の2曲を演奏していて、1曲目はピアノ弾き語り、2曲目はバンドセットだけど、どちらも合唱パートがあって、それが最高。円になって演奏するのって、toeとかもやってるけど、toeだと合唱は難しい。出来るのって、「上手く届かないんだ」の所くらい?な気がする。
あと、ミュージシャンがステージに居てお客さんが皆で合唱する、って言うのと、円になってみんなで歌うのだと、気持ち的な部分で結構違うと思う。SING USのタイトル通り、同じ目線でみんなで歌ってるからこそ、観てて最高って思った。
そんな感じで中村佳穂を知って以来、聴けそうな音源(とても少ない!)は大体聴いて、特に他の方の曲をカバーしてるのが気に入って良く聴いてた。
サウンドクラウドにも何曲かあります。tofubeatsのカバーと、キリンジのカバーがおススメ。
アルバム「AINOU」
ここからアルバムの話です。全曲解説ではなくて、気に入った所を幾つかピックアップ。
1曲目「You may they」。日本語読みで「有名税」。この曲に限らず、中村佳穂の音楽は聴いてて気持ちが良い。アルバムを聴いてると、すごくビートにこだわってるのが伝わってくるけど、深く考えずにノッていたくなる。やっぱり、歌が良いのは間違いないのだけど、気持ちいいタイミングで歌が、言葉がパッ、パッと入ってくるというか。
「有名に繰り上がる頃には 誰かの悪者になるのかな。」
アルバムの1曲目が、このニュートラルな感じ、すごく好き。2018年、色んな良いアルバム出たけど、(自分の中では)1発目のPeople In The Box「Kodomo Rengou」の1曲目「報いの一日」もそんな感じだった。
3曲目「きっとね!」。
日本語詞の曲だけど、海外の人が聴いても気持ち良くノれるんじゃない?と思う位、「気持ちいいリズム」に対してのこだわりが凄まじい。もう、鳴ってる音(歌もリズム楽器以外も)全部が「音楽を気持ちよく感じるため」に組み合わさってる。メロディも声も良いんだけど、それすらパーツの1つで、この曲に関しては多分誰が聴いても「うわ、気持ち良っ」てなるはず。
6曲目「intro」。ピアノを弾きながら、何となく歌ってるのをオフマイク(簡単に言うと、部屋とかスタジオの音全体を録ってるような感じ)で録ってる曲。環境音の入ってる音楽が好きで、この雰囲気で1枚アルバム作ってほしいなーと思った。環境音って風景を想像しやすくなるから、聴きながら入り込みやすい。
9曲目「アイアム主人公」。カッコいい、変な曲。「忘れっぽい天使」の次くらいに良く聴いてるけど、何が良いんだろう?って考えても良く分からない。結構、曲として危ないギリギリのラインで上手くまとまってる、変で不思議だけど、何かカッコいいっていうすごいバランスの曲。ヒューマンビートボックスから始まって、ラップと歌の間をフラフラしてる感じも、構成も、急にシンセの音が入ってくるのも、後半で猫みたいな声で歌い始めるのも、聴きながら「何じゃそれ!」って突っ込みたくなる部分が沢山あるのに、何故かまとまってる。何処から始まって、どう作ったらこの曲が出来上がるのだろう。
10曲目「忘れっぽい天使」。ライブ映像でも歌ってた曲。伴奏も歌詞も歌い方もちょっと変わってる。アルバム音源の方が天使感が出てる。教会で歌ってるような。灰色と、白と、光と影のイメージ。
ピアノ伴奏の音数がライブ映像と比べて少なくなってるのだけど、歌を引き立てるのと、もう一つ、ピアノのコード感(和音の感じ)をもっと出したかった、あとサビの一体感を出すためだと思う。
「抱きしめていてほしいよ」の所で急に音が変わって、何かを予感させる。そこからサビの合唱に入って、伴奏も歌い出しから歌とずれていたのがまとまるのと相まって、気持ち良い。今の所、個人的2018年ベストソングはこの「忘れっぽい天使」になってます。
11曲目「そのいのち」。これは、もう出だしが最高。開始25秒、「ああ、もう」まででやられてしまう。この曲もライブ映像の後半で歌ってます。
12曲目「AINOU」。アルバムタイトルと同じ曲。どっちを先に付けたんだろう。まず、4分ちょっとの曲で、2分過ぎまで中村佳穂ではなくASAYAKE01という男性ボーカルの方が歌うっていう曲。後半コーラスでも入ってくるので、多分この曲に関して言うと、中村佳穂よりもASAYAKE01のボーカルの方が秒数的に長い。なんか、「いや、これでも全然中村佳穂でしょ?」みたいな感じ。「あ、はい」ってなる。
AINOUってアルバムタイトルの曲がこの曲なら、今後何をどうやっても中村佳穂の音楽は中村佳穂の音楽だ、っていう自由さ、自由への意志を感じた。次の自分を固定したくない、みたいな。
終わりに
そんな感じの中村佳穂「AINOU」。ピープル波多野さんも「大名盤」と言ってました。購入検討中の方は、SPOTIFYで何曲か聴いてみて、というのもアリだと思います。多分、聴いてる内にCD欲しくなる。おススメです。
ちょっとここからアルバム全く関係ない話に入ります。
久々に感想、というかブログ更新して、「あ、まだ自分書けるんだな」と思った。ミスチルの「重力と呼吸」とか、odolの「往来するもの」とかも聴いた時に、何か書こうと思ったものの、時間が全然無いのと、書く気力というか、前にどうやって書いてたかが思い出せなくて全然更新してなかったけど、割とまだ書けるみたいです。
ちなみに、「思ったことを、単純にそのままのスピードで文字に起こしていく」っていう至極単純な作業が一番良かったみたい。あんまり色々考えると、言葉が逃げていく。
中々に忙しいけれど、これからも更新出来そうな時に書いていこうと思います。
それでは!